少年達との会話1
平成15年に活動を始めた頃は、駅前・コンビニ前・公園等に蝟集(いしゅう)している少年達に帰宅を促す方法が分からず、手探りで声掛けを行っていましたが、数年間活動を続けていく中で、だんだんと声掛けの手法が分かってきました。
第1段階:「挨拶」をする
「こんばんわ」と挨拶だけします。彼らに初対面からいきなり「早く家に帰れ」「未成年がたばこ吸ったらあかんやろう」「警察に連絡するぞ」「カーステレオのボリュームを下げろ」と命令口調で注意すると、彼らは逆上するか、不満を持ったままその場を離れることになります。「こんばんわ」と挨拶だけすると彼らは「この人達は、何で注意しないんやろう」「この人達は、何をしているんやろう」という気持ちになるようです。第1段階の目的は、「補導が目的ではない」「自分達の敵ではないかもしれない」と思わせることです。
第2段階:「会話」をする
会話が成立することをめざします。この時に大きな役割を果たしてくれるのが警察犬です。こちらが一方的に彼らに話しかけても会話はなかなか成立しませんが、警察犬がいると彼らから「この犬、警察犬?」「咬むの?」という質問がでて、「シェパード?」「何歳?」という質問が続きます。彼らから質問がでて会話が成立してきたらほぼ成功です。第2段階の目的は、会話の成立により人間関係を作り、彼らに「自分達のことを理解してくれるかもしれない」「自分達の味方かもしれない」と思わせることです。
第3段階:「指導」する
帰宅を促します。「11時以降は補導の対象になるから、早く家に帰り」、女の子がいたら「危ないから、早く帰りや」と帰宅を促し、ゴミを散らかしていたらゴミ袋を渡して「自分達で拾って、捨ててから帰りや」、カーステレオの音が大きければ「もう少し音を下げてや」と指導します。会話が成立してから指導をすると「わかった、ゴミ拾ってから帰るわ」と言って、照れくさそうな表情をする少年もいます。
第1段階から第3段階まで、2・3分の場合もありますし、第1・2段階を何日(何回)もかけてやっと第3段階にいくこともあります。危険を感じた場合は、声掛けは行わず警察に連絡します。
蝟集(いしゅう)している少年達も、一人ひとりは素直な子が多いと思います。声掛けを行う時は、地域の少年達(近所の知っている人の子供かもしれない)という意識を持って、命令口調にならず、丁寧過ぎず、普段の口調で行うことが重要です。
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