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2008年10月23日 (木)

昆虫採集と子供 4

 10月19日の木の岡ビオトープ観察会で配布された資料に、フランス文学者で、日本昆虫協会会長を務め無類の「虫好き」としても有名な、奥本大三郎(おくもとだいさぶろう)氏の言葉が載っていました。

 「私などが小・中学生であった時分、昆虫採集は『善いこと』であった。夏休みの宿題に標本を持って行く者が多かったし、持って行けばたいていほめられた。ところが、それがいつの間にか『悪』になってしまった。学校の先生の中には、『こんなにたくさんの虫を殺して!』などと、標本を持ってきた生徒を叱る人もいる。『花を摘んではいけません、虫は採らないで観察しましょう』と言うのである」

 「しかし、鳥や獣と違って昆虫の場合、飛んでいるのを遠くから見ただけでは、はっきりしたことは解らないし、ただ『黒いチョウチョと茶色のチョウチョが飛んでいました』ぐらいのことでは、子供の興味も続かない。子供の昆虫離れがますますひどくなるだけである。」

 「『でも、昆虫は採れば減るでしょう。マニアの乱獲で絶滅した虫がいっぱい、いるんじゃないですか』などと、必ずきかれる。この人たちは、虫の繁殖力を、鳥類や哺乳類と同等に考えているのである」

 「『虫は網で採ったぐらいでは絶滅しませんよ。一頭の雌のチョウが二百も三百も卵を産むし、場合によっては、一年に三・四回も世代交替を繰り返すんですから』と言うと目を丸くする。」

 「チョウもゴキブリも、繁殖力では余り変わりませんよ。ゴキブリをスリッパで絶滅させられますか。家ごと焼き払う以外に、まあ、絶滅の方法はありませんね。チョウもね、絶滅させようと思ったら、木を伐り、下草を全部刈ることですね。そしてこっちのほうはせっせと実行してるんです。ゴルフ場とリゾート地でね」

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