労働者派遣法 1
労働者派遣法ができる以前は、派遣元が労働者を雇用し賃金を支払い派遣先が労働者を指揮命令する間接雇用は、使用者責任を免罪化し劣悪な労働環境を作り出すため、法律で禁止されており、「人夫出し(にんぷだし)」「労務手配師」と呼ばれる者が闇で行っていました。しかし、労働者派遣法ができてからは、闇で行われていたことが、堂々と行えるようになりました。
企業にとっても人件費を抑える有効な手段であり、企業は、派遣会社をつくりそこから自社に労働者を送り出すという形態で、使用者責任を逃れ人件費を抑えてきました。
この労働者派遣法ができたことが、「格差社会の元凶」と言われています。労働者派遣法の改定の経過と派遣労働者数の推移は次のとおりで、改定のたびに規制がゆるくなり、派遣労働者数は増加してきました。
1986年(昭和61年)の施行時
専門性の高い16業種に限られていた。
1996年(平成8年)の改定
業種が26業種に拡大。
1999年(平成11年)の改定
業種の原則自由化。港湾・建設・警備・医療・製造業
のみ禁止。改定前の派遣労働者数 40万人
2004年(平成16年)の改定
禁止されていた製造業を解禁。
改定前の派遣労働者数 90万人
2006年(平成18年)の改定
派遣受入期間を1年から3年に延長。
改定前の派遣労働者数 152万人
2006年(平成18年)12月の厚生労働省が発表した
派遣労働者数 255万人
2008年(平成20年)12月の厚生労働省が発表した
派遣労働者数 384万人
派遣労働者数は、この10年間で10倍になり384万人です。
25歳未満の総労働人口にしめる、派遣を含む非正規労働者の割合は1/2を超えています。このことは、今後の社会に大きな影響を与えるものと思われます。
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