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2009年7月 8日 (水)

琵琶湖塾 1

 本日、2009年度第1回の琵琶湖塾に参加しました。

 琵琶湖塾は、彦根市出身のジャーナリスト、「朝まで生テレビ」「サンデープロジェクト」で有名な田原総一郎氏が塾長を務めており、『生きる(生きるための力をつける。誰も正解を持っていない正解の無い問題を考える)』をテーマに多彩なゲスト講師の講演の後に、参加者・講師・田原氏の討論という形式で進められます。2005年から始まり、ピアザ淡海又は滋賀県立大学で開催され、2009年度は約340名が受講しています。

 さて、今年度第1回のゲスト講師は、佐藤優(さとう まさる)氏でした。

 佐藤氏は、1960年生まれ元外務事務官で鈴木宗男衆院議員の側近と言われ、外務省背任事件で罪に問われ最高裁に上告するも、2009年6月30日に懲役2年6月執行猶予4年とした判決が確定し、6日以内に本人が異議申し立てをしなかったため有罪が確定し、国家公務員法に基づき2009年7月6日に失職しました。

 まず田原氏より、「佐藤氏の背任事件は、明らかに冤罪です。3300万円を使って、イスラエルから人を呼んでイスラエルに人を送ったが、そのことが佐藤氏が勝手に支出したという罪ですが、佐藤氏の上司は外務事務次官も含めて全員支出に対して決裁(印鑑)を押しており、佐藤氏が勝手に支出したというのは明らかに誤りです」という話がありました。佐藤氏は以前、取調べを行った検事から「あなたが捕まった理由は簡単です。『国策捜査』は時代のけじめをつけるために必要なんです」と言われたというエピソードを記しています。

 次に佐藤氏より、512日間の獄中生活について興味深い話があり、その後講演をされました。講演の内容は非常に広く深くそして早口のため、私は何度かついていけなくなりました。佐藤氏の発言の断片は次のとおりです(内容に誤りがあるかもしれません)。

「日清戦争の時代に建てられた寮に住み同志社大学の神学部に通っていました、その時の同級生が現在大津市の膳所教会で牧師をしています。裁判が終わったので、これからできたら月に1回程、大津市の膳所教会に通いたいと思っています。今日、田原氏に呼ばれて、ここ大津で講演をしているのも何かの縁だと思っています。」

「実学(工学等)を学び知識をどんどん高めていくと、闇の部分ができてきます、その闇の部分を研究する(補う)のが神学です。ヨーロッパでは、神学部が無い大学はユニバーシティとは呼ばれません。フロイトもユングも理屈を積み上げていくと、抑圧される部分(闇)ができてくると言っています。ヨーロッパの知識人は神学を学ばなければいけないという強い脅迫観念があります。実学と神学の両方を学ばなければバランスが取れない。同志社大学神学部では、夢を見なさい見た夢を書きなさいというのが講義だったこともあります。

「学生には、なぜ大学にきたのかが無い。人間は嫌いなことや嫌なことは記憶に残らないが、好きなこと興味のあることは記憶に残る。受験勉強はみんな嫌いなので記憶に残らない。」

「絶対に当たる、『明日の天気は雨又は雨以外です』という天気予報があります、これは論理学からすればおかしな論理ですが、実生活においてはこのような論理が語られます。例えば、『自衛隊が派遣されているのはイラクの非戦闘地域です』、非戦闘地域とはどこですか?『戦闘地域でない地域です』」

日本の学校教育のどこをどう変えれば良いと思われますか?という参加者からの質問に対して、「中学と高校のカリキュラムのバランスが悪い、中学がスカスカで高校で詰め込むから高校で落ちこぼれができる。高校でやっていることを中学にまわすことが必要」

次の総選挙ではどのようなことを考えて投票すれば良いのでしょうか?という参加者からの質問に対して、「ロシアでは選挙の候補者は、悪いやつと、すごく悪いやつと、とんでもなく悪いやつがでてくる。その中で悪いやつを選ぶことが必要と言われています。」

「規制緩和は、小泉・竹中ラインが行ったように言われているが、東西冷戦が終われば必ず起きたことで、小泉・竹中ラインでなくても行われていた」

今後10年後20年後の日本はどうなっていますか?という参加者からの質問に対して、「自分達が自分達の周りから変えていくしかない、政治家に何かしてもらおうと思うのが間違い。質問するなら、どうなっていますか?ではなく、どうすれば良いですか?と質問するべき」

北朝鮮との関係をどのように考えれば良いですか?という参加者からの質問に対して、「IAEA(国際原子力機関)がもっとも厳しく監視している国を知っていますか?それは日本です。なぜか、それは日本が核兵器を作る『能力』を持っているからです。日本に核兵器を作るという『意志』を持った政治家が現れたら、すぐに作ることができます。」「日本の電力の3割が原発です。」「核兵器は作っても実験する場所が必要です、また実験する場所まで運ぶ輸送能力も必要です。」「北朝鮮は今まで『意志』はあるが『能力』がありませんでしたが、『能力』を持ちはじめました。」「北朝鮮は地下60メートルに核兵器施設を持っており、仮に地上を攻撃しても核兵器施設を破壊することはできません。」「北朝鮮との関係は『意志』を解体するしかありません、『意志』を解体するには対話しかありません。今まで対話をしていないので、対話をすれば『意志』を解体できるかもしれません。そのためには平壌(ピョンヤン)に日本の事務所をつくって対話を始めればよい。金正日(キム ジョンイル)と対話するためのパイプをつくればよい。」

本の読み方について教えてほしい、という参加者からの質問に対して、「本の読み方は速読と熟読の2種類があります。基本は熟読ですが、熟読では月に2~4冊程が限度だと思います。速読で1ヶ月に600冊の本を読んだこともあります。速読は、その本が熟読する価値があるか否かを判断するために行います。」
※会場の方から文庫本を1冊借りて、5分ほどで読む速読を披露されました。また佐藤氏は現在、月に1200枚程の原稿を書かれています。
「現在出版されている、日本史A・世界史Aの教科書を読むのが良いと思います。近現代史が詳しく書かれており、近現代史を理解するために過去の内容が書かれています。」「一昔前の新書を読む。一冊で完結するのではなく、他の本を読まなければいけなくなっている新書を読む」

「自分で物を考える。人が何を考えているかを考えることが重要。」

「短期と長期を予想することは比較的簡単、難しいのは中期(10~20年後)を考えること。今の格差レベルを少し縮めて、今の教育レベルを少し上げることができればよいと思う」

最後に田原氏から次のような発言がありました。
「文明開化以後、良いものを安く売る時代が続いた。これが終わった。次にどうなるか?誰もわからない、それを考える」
「10~20年後、トヨタが何をつくっているか興味がある、おそらく車は作っていないだろう、松下電器は車を作っていると思う」

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