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2010年1月20日 (水)

琵琶湖塾 7

 本日第7回目の琵琶湖塾が開催され、ゲスト講師は、経済ジャーナリストの財部誠一氏でした。田原総一郎塾長から、「マクロの視点ではなくミクロの視点を持っている、数字だけを見てマクロの視点から発言する人が多い中、多くの取材をして現場(ミクロ)の視点から発言されておられる方です」との紹介のあと、財部氏が基調講演をされました、講演内容の要旨は次のとおりです。(誤りがあるかもしれません)

 私の経済評論家としての出発点は、新聞があまりにも事実と異なることを書いている、報道が間違っているということを伝えなければいけない、という思いです。
 私がN証券を辞めた理由は、あまりにもひどい会社だったからです。コンプライアンス(法令順守)なんてまったくありませんでした。N証券だけではありませんが、とにかくひどかった。入社後、朝礼で今日は○○会社の株を売ると指示がありました、そして次の日は△△会社の株を売る、数日後は□□会社の株を売るという指示がありました、最初は理由が分からなかったのですが後でその理由が分かりました、、それは大口の株主が株を売りたいと言えば、その株を個人投資家に売るための指示だったのです。N証券は必ず社会から糾弾される時が来ると思って、昭和58年に会社を辞めました。辞めて何をするか悩んでいる時に、うちに来いよと言っていただいた方が出版社の方で、そこで数年勉強した後に独立しました。
 第一次証券不祥事、第二次証券不祥事を通じて、私が感じたのは、証券会社に対する新聞記事があまりにもひどかったということです。証券会社がひどいところと思って辞めた私が読んで、ひどいと思うぐらい、証券会社に対する新聞記事がひどかった。
 日本のメディアは新聞が書いたことを追随する、事実かどうかという検証もせずに追随し広めます。私は、この誤った報道に対して、これは間違っているということを伝えなければいけない、という決心をしました。これが、私の経済評論家としての出発点です。

 2008年9月のリーマンショックの報道についても、あまりにも事実と異なっていました。報道では「100年に一度の経済危機」と言われていましたが、年が明けて2009年1月には「経済危機の底が見えてきた」と言い出しました。100年に一度の危機がたった3ヶ月過ぎて、もう底が見えてきた、と言い出しました。
 「100年に一度の経済危機」の事実は何か、答えはバブル崩壊です。アメリカとヨーロッパで同時にバブルが崩壊した、これが事実です。サブプライムローンが破綻したではなくて、土地・建物・株と同じ金融投資先であるサブプライムローンがはじけただけ、バブルがはじけただけです。

 2008年9月のリーマンショック以後、アメリカ経済は大打撃を受けましたが、すでにアメリカ経済はよくなっています、その理由は粉飾会計(正確でない会計)です。日本は、なぜあれほどバブル崩壊に苦しんだか、それは時価会計(正確な会計)を行ったからです。日本の不良債権は、時価会計で行ったから苦しんだのです。
 アメリカとヨーロッパは時価会計処理をせず、粉飾会計を行いました。社会を維持するために粉飾会計を行いました。
 数年前、中国も同じようなことをしました。不良債権問題の時に、グッドバンク(良い銀行)とバッドバンク(悪い銀行)に分けて、グッドバンクだけを民営化して上場し莫大な利益をあげました。バッドバンクがどうなったかわからない、不良債権隠しをしています。
 これが世界の常識(グローバルセンス)です。国益が最優先で議論されて、そのための手段を選びません。どうしたら国の富が増えるのかを考えて、今、何をするべきかを考えて行動しています。これは悪いことではありません、正直に動いているのは日本だけ、これが世界の常識(グローバルセンス)です。

 日本は民主党政権に変わり、大きな可能性がでてきました、劇的な変化を遂げることができる可能性がでてきました。しかし、民主党幹部の経済に関する発言は理解できません。
 藤井さんは経済通ですが、福祉経済を伸ばすと言いながら税金は上げないと言っています、でたらめです。福祉経済は、税金をつぎ込まなければ産業として発展しません。スウェーデンは福祉国家に変えて、税金を12.5%から25%にしました、そして、福祉に税金をつぎ込み、どんどん福祉施設を建てました。福祉で産業を起こすなら、消費税をおもいっきり上げて、その差額をすべて福祉につぎ込むしかありません、税金をつぎ込まなければ福祉で産業は成り立ちません。
 また、民主党幹部はみんな、外需依存が良くないと言っています。しかし、個人も企業もすべて経済の基本はキャッシュフロー、お金が入ってくるか入ってこないかだけです、お金が入ってきたら豊になります。今の民主党が製造業をたたき、企業を苦しめている、理解できない。農業を含めて、輸出を考えなければいけない、お金がどうしたら(日本に)入ってくるか考えなければいけない、この感覚がまったくない。製造業を目の敵にして、製造業が日本をだめにしたと言っているが、自動車・電気産業が、中小企業や多くの労働者を支えてきた。

 基調講演のあと、財部氏が参加者からの質問に答えられました。

 主人が中国に出張することになった、彼へのアドバイスは?
「日本のそうそうたる企業が中国に行っているが、ほとんど失敗している。成功している企業には共通項がある、それは中国人とどう付き合うかにかかっている。1年2年で上司が変わって日本に帰っていったら中国人にかぎらず、誰も信用しない。成功している企業は、10年以上同じ社員が中国にいる、社員が中国の社員と家族ぐるみの付き合いをしている。それができるかどうか、中国にかぎらずどこの外国でも同じ。ただ、10年帰ってこなかったら奥さんは困るでしょうね・・・、奥さんも中国に行って一緒に暮らすのがよいが・・・。」  

 日本は私有財産を大事にしていないのでは?
「農業を取材するようになって、地域をささえてきた人達が没落しているということを感じるようになりました。コミュニティーが崩壊している。相続税をはじめ、金持ちを許さないという考え方が日本にはある。」

 竹中平蔵さんについて、どう思われますか?
「竹中さんに対する認識は、半分経済学者半分政治家で、たいへん優秀な方です。ただし、哲学がない、という気がします、何のためにやっているか疑問に思う。竹中さんが政権に入るまでは、私もほとんど意見が一致していました、しかし、政権に入ってコミットするようになってから、違うと思うところがたくさんでてきました。小泉さんと不良債権処理をやり遂げました、これは非常によくやってくれたと思っています。ただ、その後の、道路公団民営化、郵政民営化は、小泉さんが望むことをすることが目的になってしまった。道路公団も郵政も、国鉄のように本気で戦って、くびきりをやらなかった、それをせずに民営化しても何も変わらない。」

 理想の経済ジャーナリストとは?
「取材すること、できるかぎり現場に行って人と会うこと。田原さんは一年中人と会っている。人と会い続けないと、この世界では生きられない、という危機感がある。」
 

 今後の東アジアについて?
「世界中の人がどこに投資しているか、アメリカ・ヨーロッパに誰も投資しない、日本を除く東アジアにお金が流れている。」
「中国の所得がどんどん伸びてきて、最近変わってきたことがある、『メイドインジャパン』はすばらしい、と言うようになってきた。香港・台湾・中国の製品は、絶対日本製には勝てない。『日本製はいいね』と言っている。日本に可能性はある。」

 今、我々は何をするべきか?
「外国に行ってください、グローバル化は悪いことではない。現場に行くと、聞いていることと全然違う。これだけ外国旅行しても、みんなうわべだけ見ている。現場に行って、取材チックなことをしてみたら、いろいろなことが見えてくる。」

 最後に、田原塾長が、「みなさんが、今一番興味があること、小沢さんのことについて話をします」と言われて、次のような話をされました。

 今、検察が一番困っている、何を困っているか、すじが悪い問題だから困っている。だから検察はマスコミにリークしている、マスコミにリークして新聞(世間)の反応を探っている。
 小沢さんは、銀行預金を担保にして土地を買ったと言っている、しかし、土地を買ったのが29日の午前で、銀行からお金を借りたのが29日の午後、話が合わない。
 一番検察が困っている理由は、ゼネコンから陸山会にお金が入っていたら、どういう罪になるのか、で困っている。
 贈賄(ゼネコン)側の時効は過ぎているので、ゼネコンはぺらぺら喋る、罪にならないから。収賄(小沢氏)側の時効は3月。
 当時、小沢氏は政権にいないので収賄罪にならない、では何の罪になるか、脱税になる。脱税で罰するには、その前に鳩山氏を逮捕しなければいけなかった、しかし、事件は終わっている。となると、何の罪になるか、虚偽記載しかない、しかしこの罪では新聞が納得しない、新聞は「小沢はこんなに悪いやつだ」と書きたい。

 

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