安全・安心 1
文部科学省の諮問機関である、「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」は、2004年の報告書において安全・安心に関して次のようにまとめています。
[安全・安心な社会の概念]
安全・安心な社会を構築するためには、目指すべき安全・安心な社会のイメージを明確にすることが必要である。そこで、そもそも安全とは何か、安心とは何かについて検討し、それらの検討結果と社会を巡る諸情勢の変化を踏まえ、目指すべき安全・安心な社会の概念を提示する。
[安全とは何か]
安全とは、人とその共同体への損傷、ならびに人、組織、公共の所有物に損害がないと客観的に判断されることである。ここでいう所有物には無形のものも含む。
[安心とは何か]
安心については、個人の主観的な判断に大きく依存するものである。当懇談会では安心について、人が知識・経験を通じて予測している状況と大きく異なる状況にならないと信じていること、自分が予想していないことは起きないと信じ何かあったとしても受容できると信じていること、といった見方が挙げられた。
[安全・安心を脅かす要因の整理]
安全・安心を脅かす要因を抽出し、大・中・小3つのレベルに分類。大分類(中分類)は次のとおり。
1.犯罪(犯罪・テロ、迷惑行為)
2.事故(交通事故、公共交通機関の事故、火災、化学プラント等の工場事故、原子力発電所の事故、社会生活上の事故)
3.自然災害(地震・津波災害、台風などの風災害、火山災害、雪害)
4.戦争(戦争、国際紛争、内乱)
5.サイバー空間の問題(コンピューター犯罪、大規模なコンピューター障害)
6.健康問題(病気、新興・再興感染症、子供の健康問題、老化、医療事故)
7.食品問題(O157などの食中毒、残留農薬・薬品等の問題、遺伝子組み換え食品問題)
8.社会生活上の問題(教育上の諸問題、人間関係のトラブル、育児上の諸問題、生活経済問題、社会保障問題、老後の生活悪化)
9.経済問題(経済悪化、経済不安定)
10.政治・行政の問題(政治不信、制度変更、財政破綻、少子高齢化)
11.環境・エネルギー問題(地球環境汚染、大気汚染・水質汚濁、室内環境汚染、化学物質汚染、資源・エネルギー問題)
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