個人貯蓄額
日本の個人貯蓄額の総額は1300兆円あり、個人ローンの総額300兆円を差し引いても、1000兆円の貯蓄(消費にまわすことが可能な金額)があると言われています。
個人貯蓄額の総額1300兆円を、人口1億3千万人で割ると、一人当たり1000万円の貯蓄があることになります。年代別の平均貯蓄額は、20代が150万円、30代が500万、40代が800万円、50代が1300万円、60代が1500万円、70代が1200万円、と言われています。
この平均貯蓄額はほとんど意味がありません。まったく貯蓄が無い人が99人いても、たった1人10億円の貯蓄がある人がいれば、100人の平均貯蓄額は1000万円になります。
2008年の国内総生産(GDP)は約500兆円で、アメリカに次いで世界第2位です。ちなみに、2010年には中国に抜かれて世界第3位になると言われています。
国の年間予算は、一般会計と特別会計を合わせて、約200兆円です。国と地方の借金の合計は約800兆円です。
経済に詳しい多くの方が、個人貯蓄が消費にまわれば景気が良くなると指摘しています。個人貯蓄額の1割、1億の貯蓄がある人が1000万円、1000万円の貯蓄がある人が100万円、100万円の貯蓄のある人が10万円、みんなが消費にまわすだけで景気は回復すると指摘しています。みんなが貯蓄の1割を消費すれば1000兆円の1割、100兆円が市場にまわることになります。
では、なぜ、みんな消費せずに貯蓄するのでしょうか?それは不安だからです、将来が不安だからです、高齢の方は老後が心配だからです、将来の医療・年金・介護等が不安だから消費せずに貯蓄をすることになります、自分が生きている間にどれだけお金が必要かわからないのでできるだけ貯めておこうという意識になります。
個人貯蓄の総額1300兆円の大部分は、若者ではなく高齢の方が占めています。高齢の方の不安を取り除き、将来の「安心な暮らし」が見込めれば、貯蓄が消費にまわり景気は良くなると、多くの専門家が指摘しています。
新たな産業を起こすよりも、高齢の方の不安を取り除き、貯蓄を既存産業の消費にまわしてもらうことを考える方が重要かもしれません。高齢の方が「安心な暮らし」を手に入れることができ、貯蓄を、自分の楽しみのために使おう、子どもや孫のために何か買ってやろうという気持ちになれば、景気が良くなり、社会が抱えている多くの問題が解消されるのでしょう。
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